知育玩具開発のコンセプトは「両手を使って物を作る。作りながら考える。考えながら手を使う」第一線を走り続ける森山さんに話しを聞いてきた

こんにちわ。知育玩具プロデューサーの江藤です。
今回アーツブログのインタビュー第一号としてお話しを伺ったのは、
もちろんこの方!アーツブロックの生みの親「森山 恵吾」さんです!
是非とも第一号は森山さんにお願いしたいと思いお忙しい中お時間をいただきました。
内容はアーツブロックにあって他のブロックにはない特徴や、
長年の知育玩具開発で培ったノウハウまで公開するなど、盛りだくさんの
内容となっていま。アーツブロックや知育玩具の世界を知りたいパパやママは
是非ともお読みいただけると嬉しいです。

 

森山 恵吾氏のプロフィール/経歴

九州芸術工科大学(現九州大学)でプロダクトデザインを学び卒業後、
時計メーカーに就職し時計デザイナーとしてスタート。
その後、公文教育研究会に入社しくもん出版等、部署異動しながらもおもちゃの企画、
開発、制作に約30数年間携わってきた。

 

森山 恵吾氏が公文で開発したヒット商品

「くるくるチャイム」「日本地図パズル」「ソフトパズル」など

退職後は現在の知育玩具メーカー「サンモリッツアーツ」を起業。
そして2017年2月株式会社に組織変更。

 

知育玩具開発に携わるきっかけは新聞の求人広告

江藤
こんにちわ。なんだか改まってお話しを聞くとなると緊張しますね。今日はよろしくお願いします。
森山さん
こちらこそ、よろしくお願いします。

 

江藤
では、早速質問させていただきます。
森山さんが知育玩具に携わることになったきっかけは何かあったのでしょうか?
森山さん
時計メーカーに努めていた当時、新聞の求人広告に公文教育研究会の求人が出ていたんです。
もともと木製のおもちゃには興味があって休日などに展示会に行ったりしてましたし、
これはチャンス!と思い応募してみたところ採用となりました。
兼ねてより憧れであったおもちゃの制作の仕事に就くことになり嬉しかったです。

就職後は公文のおもちゃ事業は全くのゼロからのスタートだったので立ち上げから参加することになりました。
試行錯誤しながらも、おもちゃの開発はもちろん、事業や人材の育成に至るまで携わってきましたね。
定年退職直前まで開発の責任者 チームリーダーとして忙しい日々を送っていました。 

 

江藤
そう言ういきさつだったんですね。それじゃ日本の知育玩具のパイオニアといっていいんじゃないですか?
森山さん
いやいや、それは言い過ぎです(笑) 

 

アーツブロックの誕生のきっかけは他の知育玩具の副産物だった

江藤
それでは質問どんどんいきますよ!なぜアーツブロックを作ろうと思ったのですか?
森山さん
定年退職後も自分の好きなおもちゃを作っていこうと決めていたので、
木のおもちゃの試作品をたくさん作っていたんです。
その中に木で作った動物のパズルというか積木というかジオラマ?みたいなものがあって、
猛獣やかわいい動物などの色々な動物をジャンル分けして遊ぶおもちゃを作ったんです。
その際に動物達を仕分けるための柵を作ったんですけれど、
土台となる円柱のパーツにジョイントを繋げてみたら何となくブロックぽいものになって、
それからブルドーザーや恐竜のような形が出来上がったんです。
これは面白いぞ!となって、その後、丸だけではつまらないので四角いブロックを加え、
それがアーツブロックの原型となりました。
ただジョイントが木製だと木の収縮でキツかったり割れたり、逆に緩くなって抜けやすくなるので、
金型を起こし、ジョイント部分はプラスチックで作ることにしました。
こうして現在のアーツブロックが生まれたんです。
出発点はブロックを作ろうと思って作ったのではなく他のおもちゃの副産物だったわけです(笑) 

 

知育玩具開発には家族の支えとガレージ工房の存在が大きい

江藤
アーツブロックが完成したときの周囲の人達の反応はどうでしたか?
森山さん
試作品を作って一番初めに見せるのは家族なんですがアーツブロックはとても評価が高かったです。
試作品はまず奥さんに見せて、娘、息子に見せました。
その反応を見て、もちろん改善点をなども直に試作品に反映させながら改良しました。
家族の励ましが大きいです。

それと開発を進めるにあたり自宅のガレージ工房の存在も大きいですね。
アイデアを直ぐに形にできる環境が良かったと思っています。
試作を外注すると、ひらめきをすぐに形にできないというタイムラグがありますから、
なかなか開発は進まないですからね。 

 

持ち前のポジティブシンキングで前進あるのみ!

江藤
知育玩具を作っていて辛いなぁと感じることはありますか?
森山さん
特に辛いと思ったことはなく、開発中はもう楽しくてしょうがない!
強いて言うなら商品が完成しているのにこのアーツブロックというものをどうやって世の中に出していくか?
売り先を探すのが大変だということですかね。

アーツブロックが完成した当初、私には全くバックボーンがないので、
このアーツブロックという知育玩具に何らかの付加価値を付けようと考えたんです。
そして平成27年の「八王子市中小企業新商品開発認定制度」に応募し認定商品になりました。
もう一つは昨年「公益財団法人 東京都中小企業振興公社 中小企業ニューマーケット開拓支援事業」の審査に通って支援認定商品なりました。こうした会社勤めしていた時にできなかったことをいろいろチャレンジすることは楽しくて仕方ないんです。

 

ここが凄い!アーツブロックは曲線が作れんです!!!

江藤
アーツブロックにあって他のブロックにはない特徴はなんですか?
森山さん
アーツブロックの最大の特徴は曲線(カーブ)が作れるところです。
これは他のブロックにはないアーツブロック独自のもので扇形のジョイント使うことで曲線が作れるわけです。
そして今試作品までできているのがブロックを車輪としてくるくる回転させることのできるジョイントの開発です。
これがジョイントが増えると遊び方の幅がぐっと広がります。置物的な完成体が動かすことができるわけですからね。

アーツブロックは丸と四角の単純なブロックなのに、ジョイントの工夫次第でこんなものが出来るんだ!などの期待感を持って楽しや驚きを発見、開発していきたいです。
ブロックそのものよりもジョイントの可能性の方が大きいと思っています。
ジョイントの開発次第で他のブロックにはない優位性が更に見せつけられると思っています。
今後も様々なジョイントを増やしていく予定です。

 

大人と子供ではアーツブロックの捉え方が違うんですね〜

江藤
アーツブロックの使い方を子供やその親御さん達へ伝える際に気を付けた点などありますか?
森山さん
一番は安全性を重視しています。
次にブロックの使い方やガイドブックのような具体的な作例の提示の仕方に気を配っています。
ただ子供たちにとってみれば、どんなものが作れるか作例があるかないかは関係なく、どんどん色々なものを作っていきますね。
また、老人福祉施設でも認知症予防の脳トレ教室でアーツブロックを使ってもらっているんですが、大人は完成図を見て説明しながらでないと形が作れない。理屈付けが必要なんですかね(笑)自分の殻のようなものがあって、自由に作ろうとしない。
一方、子供は完成図を見なくてもどんどん好きに作る。そうしているうちに偶然の副産物で想いもよらなかった物が生まれんです。
同じブロックでも子供と大人では使い方が全然違うのではないかと思うんです。
その辺を踏まえると子供とお年寄りがアーツブロックで一緒に遊んだ時に、
お年寄りがこんな風に作るんだよと子供に教えるというより、子供の柔軟な思考で作ったものを
どうやって作ったの?と子供から教わる方がお年寄りに与える影響として大きいと思っています。
アーツブロックが世代を結びつけ、子供と大人が一緒に遊べるコミュニケーションツールとなるんです。
そうやっておもちゃの枠を超えた使い方をしていただけると制作者の私としてもありがたい。

 

子供が作った物は全てアート作品なのだ!

江藤
アーツブロックのネーミングの由来、意味を教えてください。
森山さん
子供が作ったおもちゃは全て芸術作品だと思っています。
一時飾っておきたいし崩したくない。
偶然出来たものでも子供の思い入れがあるんです。
そうして作った物が芸術性を持ったアート作品という位置づけに感じてほしいかったのです。
なのでアートするブロックでアートブロックという名前を調べてみると既に使われていたので、
芸術を複数系にして、たくさんの芸術品を作れるという意味を込めアーツブロックとしました。

 

森山さんの知育玩具開発のコンセプトとアーツブロックが子供に与える影響

江藤
アーツブロックが知育玩具として子供に与える影響とはなんですか?
森山さん
両手を使って物を作る。作りながら考える。考えながら手を使う。
おもちちゃを作る際のコンセプトとして私がもともと持っているコンセプトです。

そうしたことを踏まえて総合的に言うとアーツブロックは子供の脳の発達によいと思います。その他の効果として、ブロックが出来た時の達成感を味わえ、集中力がつき、最後までやり遂げようとする諦めない気持ちと自己肯定感を育みます。
他にも手先の器用さはもちろん、どのジョイントを使ったらどうなるなどの空間認識、計画性、論理的思考が身に付くなど
子供にとっては脳の発達に、高齢者には健康な脳の維持としてアーツブロックが役に立てるのではないか思います。

 

知育玩具開発のノウハウを公開!?そこまで話していいの?

江藤
アーツブロックの制作過程で過去の経験が生かされたことはありますか?
森山さん
何と言っても検証、モリタリングです。
知育玩具を開発するにあたりとても重要だと思っているのが直ぐ子どもに試すことなんです。
作家さんってついつい自分の殻に閉じこもりがちですが、私の場合は検証、モリタリングを繰り返し行います。
前職の公文にはたくさん教室があったので子供たちのプリント学習の間に試作品を持っていって
遊んでもらい様子を見ることをしていました。
楽しく遊んでくれるか、危ないとことがないか検証するんです。
そしてそういった検証、モリタリングを今でも行いながら知育玩具の開発をしているのが
サンモリッツアーツの強みなのです。

 

知育玩具の世界で目指すは日本の「カプラ」

江藤
知育玩具を開発する際に意識してる競合、作品、おもちゃはありますか?
森山さん
はい!あります。1980年代にフランスで誕生したカプラという知育玩具です。
平べったい板が一種類しかないのですが、それを何時間も積み上げていってぶぁ~と壊すみたいな。

このカプラは至る所にあるんです。
幼稚園、保育園、学童保育とか関係者なら知らない人はいないくらい有名な知育玩具です。
カプラのようにこんなに単純で子供たちが夢中になれるものを作れないかと常に考えています。
サンモリッツアーツの知育玩具は日本のカプラを目指したいですね。
そしていつしかカプラを超える商品を作っていきたい!

 

まだまだ満足しません!自信と改良点

江藤
アーツブロックで遊んだ子供たちの反応はどうですか?
森山さん
一昨年八王子駅放射ユーロードで開催された環境フェスタに出店したとき、
初めて会った子供たちがアーツブロックで夢中になって遊んでくれたんです。
なんの説明もなくても子供たちがどんどん遊んでくれるその姿を見て自信に繋がりました。
木の収縮の関係でジョイントの抜き差しが固いと言われることがあります。
なので今後はブロックの素材としてプラスチック製も検討しています。
でも木製の知育玩具というところにはこだわりたいので木製の商品ラインは外さないとしても、
本当に良い勘合具合を追求していかないといけない。それが今後の課題でもあります。

 

僕も見習いたい森山さん生き方とこれからの想い

江藤
森山さんにとって自分らしさとはなんですか?
森山さん
好きなことをやる!
おもちゃを作っていくことは一生の仕事と思っています。
自分の生き甲斐を自分で見つけて自分の好きなことができているのが一番です!

 

江藤
森山さんが他の人に影響を与えてることはありますか?
森山さん
影響と言ったらおこがましいですが、私は現在62歳ですが、やる気と能力がある人は
どんどん色々なことをやった方がいいと思います。
私はそんな同年代のお手本になれれば幸いと思っています。

 

江藤
最後に今後の展望を聞かせてください。
森山さん
サンモリッツアーツは大きな会社というより面白い会社にしたいです。
結果、人を雇えるような会社になったらいいですね。
それと八王子地域の企業や大学などと連携して、おもちゃや雑貨などを共同開発できたらいいなと思っています。
そしてそれが八王子の人材育成にも繋がれば地元八王子でもっと楽しいことが起きるはずです。

 

まとめ

いや〜盛りだくさん過ぎてなかなかまとめられませんが、
知育玩具開発に人生を捧げた一人の人間の人生を垣間見れたことに、
僕自身とても光栄に思いましたし、お話しくださった森山さんに感謝いたします。
アーツブロックそして知育玩具開発に対する森山さんの未だ冷めぬ情熱と、
そして途中、開発のノウハウまで公開してしまう太っ腹ぶりには、
同業者も必見ではないでしょうか?

そしてもとより森山さんが作る知育玩具はたくさんの子供たちと触れ合う中で培った、
開発のコンセプトである「両手を使って物を作る。作りながら考える。考えながら
手を使う」という部分に知育玩具としての役割が集約されるのではないでしょうか?
なのでたとえノウハウを公開したからと言って森山さんの長年の経験から培ったものを
一長一短では真似できないとは思います。

本当に子供とっていいものは何か?そして楽しいおもちゃは?

大人になってしまった僕たちにはもう分からないかもしれません・・・
もしかしたら森山さんはそんな大人と子供の橋渡しをしてくれる人なのかもしませんね。

 

                                       

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